明石大久保ゆりのき通/神明クリニック
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神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

急性白血病について

とりあえず内科医になろうと思ったのが大学を卒業する数か月前でした。本当に「とりあえず」でした。そして内科医になって4年程経った頃に間違いなく血液内科医になろうと決断しました。本当に「揺るぎない」決断でした。理由は研修先の病院でよく血液疾患を診ていたことも関係しているのですが、自分自身も血液学に少なからず興味を持ったこと、そして血液患者さんを目の当たりにして、嬉しい思いや悔しい思いを何度も経験したことが大きかったと思います。

そんなわけで医者になって5年目頃から10年目頃までは血液疾患を中心に診療していました。ずっと血液内科医を続けるつもりだったのですが、どういうわけか今は血液疾患を診ることはほとんどなく、内科全般を診る町医者をしています。こちらの方が自分に向いていたのでしょうね。

ただ先日、競泳の池江璃花子選手が急性白血病であることを公表したときには、他人事のようには思えず、どうも落ち着かない気分になりました。私自身、何度か苦い思いをしてきたのが白血病だからです。

白血病では幼若な血液細胞が成熟した白血球に分化する過程でがん化し、異常増殖します。血液細胞が作られる骨髄内はこの白血病細胞で占められ、そのため正常の血液細胞はほとんど作られなくなり、正常の白血球や赤血球、血小板が減少します。急性白血病では文字通り急性に経過するため、未治療なら数か月の命です。発見が遅すぎると感染や出血などを併発し、予後にも大きく影響します。

そういう意味では今回の池江選手の場合は発見が遅れなくて良かったと思います。ただ、急性白血病には他の固形がん(胃がんや肺がんなど)のように病気の広がりを表すステージ分類はなく、「早期発見」イコール「予後良好」とはなりません。

急性白血病は大まかに骨髄性とリンパ性に分けられ(成人では骨髄性が80%以上)、また形態によって更に細分化されています。私が医者になった頃はこの形態分類がとにかく重要だったのですが、今は染色体異常や遺伝子の変異による分類が中心になってきており、予後因子として非常に重要視されています。予後良好群に分類されれば治癒も十分期待できますし、そうでなければ骨髄移植を含めたより強力な治療が検討されることになります。

いずれにしろ急性白血病はもう「不治の病」ではありませんので、池江選手を含め白血病と闘っている患者さん、元血液内科医として陰ながら応援しています。

いきいき生活通信 2019年 3月号

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人工知能(Artificial intelligence :AI)と医療について

最近よくAIという言葉を耳にしますね。人間の脳と同じような機能をもつコンピューター技術のことで、アナログ人間だと自認している私にとって、AIはできれば関わりたくないのですが、どうもそういうわけにはいかなくなってきていて、医療の分野にもこれからどんどんAIの技術が導入されそうです。

近年、AIは驚異的な速さで進歩していて、チェスも囲碁も将棋も人間が勝つことは不可能なレベルになっています。しかもますます強くなっていて、人ではなくAIによる世界大会も行われています。車も自動運転の時代が近づいてきていて、いったいこの先どんな世の中になっていくのでしょうか。
皮肉なものでスマートフォンに夢中になっていた我が子達を随分𠮟ってきた私ですが、そのスマートフォンをほとんど使いこなすことができず、使いこなせて当たり前の時代についていけるのか少々不安です。

さて、AIが実際どのように医療に関わっているかというと、まず画像解析の分野において期待が大きく、放射線画像や皮膚科、眼科領域など視覚で判別する画像はすべて対象になっていて、いずれ画像診断はAIが行うことになりそうです。

AIはディープラーニング(深層学習)といわれる機械学習の技術に支えられていて、例えばコンピューターに大量の画像データを読み込ませ、病気の特徴や異常あるいは正常である所見を認識させることでコンピューター自身が学習し、病気を見つけ出すことができるようになるのです。そして今まさにその診断精度を世界中で競い合っている状況です。
また画像診断以外にも、患者さんの遺伝子情報を入力すると、がんに関連した遺伝子異常をすばやく見つけ出し、その異常を標的とした治療薬まで指示してくれることが可能になっています。
その他、介護ロボットや手術支援ロボットの開発も進んでいます。

また、近い将来病気によってはわざわざ病院に行かなくとも、スマートフォンで症状をデータ送信するだけで、診断および処方箋データが得られるようになるかもしれません。
思えば、以前と比べて医療に関連した情報は非常に多く、複雑化しています。これらの情報を上手に効率良く利用することが重要になってきていて、これからの医療はこの情報通信技術やAIを抜きには考えられません。

いかにAIと協働し、そしてAIを活用できるかが医師の能力にも反映される時代になりそうです。
まあ、ちょっと私も何とか頑張ろうと思っています。

いきいき生活通信 2019年 2月号

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ワクチンについて

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、インフルエンザの流行の時期となりましたが、もうワクチン接種は済みましたか。よく皆さんから「インフルエンザのワクチンって効果あるの?」と聞かれるのですが、ワクチンを接種したほうが、インフルエンザを発症する確率とその合併症を軽減できることは大規模な研究によって明らかになっていますので、効果は間違いなくあります。ただしその人の体質や年度によって効果にバラツキがありますので、過信は禁物です。

さて、現代社会はこのワクチンがなければ生きていけないと思えるぐらい、いろんなワクチンが登場しています。その始まりは1796年までさかのぼります。最初に開発されたワクチンは天然痘のワクチンで、20世紀だけでも全世界で3億人の人が天然痘で亡くなったそうですが、ワクチンのおかげで1977年を最後に患者の発生はなく、1980年にはWHOから根絶宣言が出されました。凄いことですね。世界中でワクチン接種に取り組めばウイルスを根絶できるのですね。ワクチンの効果を示す最も良い例かもしれません。天然痘のワクチンの発明以来、数々のワクチンが開発されています。

私が子供の頃に接種したワクチンは結核をはじめ数種類ほどだったのですが、ここ数年で一気に増えて、今の子供達は全部で8種類のワクチンが定期接種となっていて、今後まだ増えると思われます。更に大人の場合も肺炎球菌ワクチンや最近では帯状疱疹予防のために水痘ワクチンが使用できるようになっています。

また、麻疹や風疹の抗体が不十分である大人が少なくなく、一時的な流行の要因となっているため、これらのワクチンを接種する人も増えていています。特に風疹ワクチンについては今春から感染リスクが高いとされる39~56歳の男性を対象に3年間原則無料で接種できる予定です。

このように最近になっていろんなワクチンが接種されるようになったのですが、これには理由があって、実は日本ではワクチンの副作用が大きな問題となった歴史があり、ワクチン接種に対して消極的になっていた時期があったためです。欧米では20年前から積極的にワクチンを接種していて、日本が「ワクチン後進国」と呼ばれていた所以(ゆえん)です。

ただ、ワクチンについてはやはり副作用の観点から心配する声があるのも事実です。私自身も生命の危険性がほとんどないウイルスに関してはそれほど神経質にならずに、持病のある人中心に接種すればよく、ウイルスとの共存という考え方も重要ではないかと考えていた時期もありましたが、「現在のグローバル社会の下ではワクチン後進国ではダメで、欧米と足並みをそろえる必要があるのかな」と思っております。

いきいき生活通信 2019年 1月号

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