明石大久保ゆりのき通/神明クリニック
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神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

成人の気管支喘息について

この原稿を書き終えたのは4月22日です。まだまだ新型コロナウイルス感染症の感染収束の見通しが立たない状況ですが、苦しい時だからこそ、少しでも心の中のどこかにあった“温かい気持ち”を思い出して、頑張ろうと思います。

今回は成人の気管支喘息についてお話しします。
気管支喘息は小児喘息と言われているように、子供によくみられる疾患なのですが、実は大人の患者さんも最近増えています。日常の診療でも高齢になって初めて喘息を発症したという患者さんを診ることが少なくありません。

気管支喘息は何らかの刺激によって気管支が狭くなる病気ですが、気管支が狭くなると当然のことながら呼吸が苦しくなって、気道狭窄音として「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という呼吸音(喘鳴)が聞かれたりします。どうして気管支が狭くなるのかというと、それには体質が大きく関係しています。

成人の気管支喘息は大まかに二つのタイプに分けられ、小児喘息の既往があるタイプと大人になって初めて喘息を発症するタイプがあります。前者はアレルギーを起こしやすい体質(アトピー体質)と関係があり、後者はアトピー体質以外の何らかの遺伝的な体質が関係していると考えられています。

いずれにせよ、それらの体質によって症状がない時でも気管支には慢性的に炎症が起こっていて、非常に過敏になっており、ちょっとした刺激(ダニ、ハウスダスト、花粉、ウイルス、タバコの煙、大気汚染物質、寒冷など)によって容易に気管支が収縮して狭くなります。病態としてはよく火事に例えられていて、絶えず火種がくすぶっていて、いつでも発火しやすい状態をイメージしてください。したがって、治療は火事になってからの消火活動や発火を防ぐこと以上に、火種を常日頃から消しておくことが大切です。すなわち症状がないときから、慢性的な炎症を抑える予防治療が重要なのです。
また、何度も火事を繰り返していると、やがて火事がより起こりやすくなり、消火もどんどん大変になっていきます。喘息が重症化し、コントロールが難しくなるというわけです。

喘息は体質が関係していますので、治癒する疾患ではなくてうまく付き合っていく慢性の疾患です。発作が治まると呼吸も楽になるので、吸入などの治療をすぐにやめてしまう患者さんがおられますが、次の発作を起こさないように、そして重症化を防ぐためにも、治療の減薬や中止はより慎重に行ってください。

いきいき生活通信 2020年 5月号

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新型コロナウイルスによるパンデミック感染症について

2月のコラムで新型コロナウイルス感染症についてお話ししたのですが、実を言うとその頃はまだ、私自身は他人事のように思っていました。しかし、その後じわじわと感染者が増えていき、自分や自分の周囲で感染が起こることが現実味を帯びてくると、「これはかなり大変だ」と実感するようになりました。そして先月11日には、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を宣言しました。
今、私は「私やスタッフ、そして外来患者さんや透析患者さんが感染したらどうしよう」と日々、戦々恐々としています。

患者数や死亡者数が連日報道されていますが、診断されていない無症状の感染者や軽症者が実際にどれくらいいるのかわからないため、新型コロナウイルス感染症の危険性を把握しにくい部分も正直あります。ただ、その部分を差し引いても、イタリアの状況などを見ていると、季節性のインフルエンザの何倍も危険性が高いと考えなければいけないでしょう。
ちなみに日本では、2018年、2019年とこの2年間は年間3000人以上の人がインフルエンザで亡くなっています。もちろん、感染者数は新型コロナとは全然違いますが。

さて、パンデミック感染症が私たちの健康だけでなく、社会に対してこれほど多くの影響をもたらすことは想像以上でした。学校が休校になり、いろんなイベントが中止になって、さらに街の閉鎖や渡航制限など、医療以外にも経済を中心としたいろいろなところで多大な影響がでていて、世界中が大混乱といった様相を呈しています。
もういい加減、うんざりしてきていていますし、できるだけ早く落ち着いて欲しいと切に願っていますが、こんな時こそ“ポジティブな考え方”をしたいです。

そもそも地球は人間だけのものでは絶対にあり得ないので、パンデミック感染症は必然的なことであり、それは過去の歴史が証明しています。今回の新型コロナが終息しても、いずれはまた別のパンデミック感染症が起こるでしょう。もっと恐ろしい感染症かもしれません。

私たちは今、人類の未来にとって、プラスの経験をしているのかもしれません。大災害を経験することで、その対策を考えていくように、パンデミック感染症に対して、現代社会はどのように向き合うべきか、今回の新型コロナウイルスが私たちに多くのことを暗示してくれているのだろうと、私はそう思うようにしています。

いきいき生活通信 2020年 4月号

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オンライン診療について

クリニックの東隣りのJT跡地でいよいよマンション建設などの工事が始まります。大きなマンションが3棟できる予定で4年がかりの大事業です。この地域はますますにぎやかになっていきますね。もちろん嬉しいことではあるのですが、ちょっと憂いもあります。日本の人口が減少していることを考えれば、にぎやかになっていく地域以上に、寂しくなっていく地域があるはずで、あまりにも都会に人が集中し過ぎているように思います。革新的な政治の力で地方にもっと人の流れを作って欲しいですね。

一方、医療の世界では地方に住む患者さんが自宅に居ながら東京にいる名医の診療を受けることができる時代がやって来つつあります。その中心的な役割を担うのがオンライン診療です。

オンライン診療とは、インターネット上で予約、問診、診療、処方、決済までを行う診療などのことです。時間がなくて病院になかなか行けないというのは実際のところよくあることだと思います。私自身も平日に病院を受診するためには外来を休みにするか、代診の先生に外来診療を依頼しないと受診することができません。緊急な場合や重症であればもちろんそうするのですが、気になる程度であれば、結局“放ったらかし”になってしまいます。
皆さんも仕事などが忙しくて、そのために通院しなくなってしまうこともありますよね。

また、病院まで遠くて通院するのが大変な場合や、付き添いが必要な場合なども病院を受診するだけで一苦労であり、おまけに待ち時間や検査などで一日中かかってしまって、へとへとになることもしばしば耳にします。そもそも病態の安定している患者さんにとっては短時間の診療のために何時間も待たされること自体が大きなストレスになりますね。かく言う当クリニックも日によっては長い時間待って頂くこともあって、その時は心苦しく思っています。

2018年に厚労省より指針が示されたオンライン診療はいろいろと条件が付くのですが、初診ではなくて定期的に通院していて、安定している患者さんに適応があります。患者さんはスマートフォンやパソコンで診療予約し、その時間にその通信機器でビデオ電話に接続して、診療を受けます。支払いはクレジットカードでの決済で、後日処方箋や薬が自宅に配送される仕組みです。

オンライン診療を取り入れている医療機関はまだまだ少ないのですが、今後医療において重要な役割を果たしていくのではないかと思っています。

いきいき生活通信 2020年 3月号

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新型コロナウイルス感染症について

寒いのは苦手なので、暖冬はうれしいのですが、冬は冬らしくあってほしいというか、ここまで暖かいとちょっと不安になりますね。
これも地球温暖化の影響らしく、昨年(令和元年)の日本の年平均気温は1898年の統計開始以降で最も高い値となる見込みです。世界も同様の傾向で、最近の異常気象やグレタ・トゥーンベリさんの登場をみていると、いやが応でも地球温暖化について考えさせられます。私の考えはというと、悲しいかな、今のところno ideaです。

さて、昨年12月から中国の武漢市で集団発生した新型コロナウイルスによる肺炎が世界中で話題になっています。新型コロナウイルスとはいったいどんなウイルスなのでしょうか。

ウイルスはDNAやRNAの数、逆転写酵素の有無などによって7群に分類されていて、現在約2800種類ほどが知られています。そのうちの約30種類がコロナウイルスで、特徴は

  • 一本鎖のRNAウイルスであること
  • 太陽のコロナのような外観をしていること
  • ヒトに感染するのは風邪の原因となる4種類と、動物から感染して重症肺炎であるSARS(サーズ)とMERS(マーズ)を引き起こす2種類がある

ということです。特にSARSとMERSはまだ皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。

ちょっとおさらいしておくと、SARSは2002年中国から発生して30を超える国と地域で拡大し、最終的には約8000人が感染して、774人が死亡しました。コウモリを自然宿主としていたSARSコロナウイルスがヒトにも感染するようになったようです。

一方、MERSは2012年サウジアラビアから発生し、今も散発的に流行が続いている状況であり、特に2015年には韓国の病院で感染が拡大して、問題となりましたね。こちらはラクダに風邪症状を引き起こすMERSコロナウイルスがヒトにも感染するようになったと考えられています。

そしてこのたび、新たにヒトに感染するコロナウイルスが見つかったわけですが、その新型コロナウイルスもヒト以外の脊椎動物から感染した可能性が高いようで、またヒトからヒトへの感染性も確認されています。ウイルスはやはりヒトにとって脅威ですね。

鳥インフルエンザもそうですが、新興感染症の多くが人獣共通感染症であり、一方、ヒトとウイルス保有動物との接触機会は増えている現状で、いったいどうしたら良いのでしょうかね。
私の考えはというと、やっぱり、今のところno ideaなのですが、ただ、最強のウイルスを生み出さないためにも、ウイルスの排除ではなく、共存が重要だと思っています。

いきいき生活通信 2020年 2月号

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ハンセン病について

皆さん、明けましておめでとうございます。本年も神明クリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

「今年はどんな一年になるのだろか」とふと考えると、期待と不安が交錯する微妙な感覚を覚えます。もう若くないのでしょうね。希望がないわけではないのですが、期待よりも不安の方が強いかもしれません。自分のこと、家族のこと、仕事のこと、世の中のことなど、思えば不安は尽きませんが、今日も明日も自分ができることをしっかりするだけですね。

さて、新年早々明るい話題といきたいところですが、今回はちょっと暗い歴史のあるハンセン病についてのお話しです。ハンセン病はらい菌による感染症で、主に皮膚と神経を侵し、悪化すると顔や手足の変形をきたすこともある疾患です。現在、ハンセン病患者さんは国内にほとんどいないので、私自身は診察した経験はありませんが、その病名は最近よく耳にしていました。昨年11月にハンセン病患者の家族にも補償金を支給する法律が成立しましたね。ちなみに患者さん本人への補償については2001年に成立しています。

今から100年以上前、当時ハンセン病は「恐ろしい伝染病」と考えられていたために、患者を減らすためには隔離が有効な手段とされていました。さらに「不治の病」という認識のもと、全ての患者を収容しようとした時期がありました。そして、時には重労働を強いたり、反抗するものに対しては裁判なしに処罰することもあったそうで、絶望の後に亡くなった患者さんも少なからずいたようです。

しかし、戦後に治療薬が次々と開発され、やがてハンセン病は治る病気となり、1960年にはWHO(世界保健機関)が外来での治療を提唱しました。

ただ残念なことに、日本で隔離を柱とした「らい予防法」が廃止されたのは1996年のことでした。つまり約一世紀もの間、ハンセン病患者さんは差別と偏見によって非常に苦しい思いをしてきたのです。そして、つらくて悔しい思いをしてきたのは患者さんだけではなく、その家族も同様でした。ハンセン病患者の家族というだけで、いろいろな差別を受けてきたのは、想像に難くないかと思います。「恐ろしい感染症」であれば、隔離もやむを得ないこともあるでしょうし、難しい問題だったと思うのですが、このたび、国が長い間の隔離政策の非を認めて、患者さん家族に謝罪をしたのは、個人的にはすごくうれしかったです。

いきいき生活通信 2020年 1月号

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