明石大久保ゆりのき通/神明クリニック
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神戸新聞・折込の、地域の広報にあります「とことん、おおくぼ Okubo.com」の「ドクター西原のいきいき生活通信」で掲載された内容です。ぜひ皆様の生活にお役立てください。

2010年コラム
コレステロールは下げるべきか?
今年の9月に愛知県で開かれた日本脂質栄養学会の大会でこれまでの常識を覆すような指針が公表されました。その内容は"コレステロールの摂取量を増やしてもコレステロールは上がらないし、コレステロールは高いよりむしろ低いいほうが健康に良くない"ということでした。
この指針の根拠となっている疫学的調査によると、神奈川県の男女約2万6千人を約8年間追跡調査したところ、悪玉(LDL)コレステロールが低い(100mg/dl未満)集団で有意にがんや肺炎による死亡が増えたということです。実は以前にも日本で同様の疫学的調査結果が公表されたことがありました。
一方、"コレステロール特に悪玉コレステロールは積極的に下げるべきである"と主張しているのが日本動脈硬化学会です。私自身が普段の診療に参考としているのは日本動脈硬化学会が示している指針ですし、おそらく他の多くの医師も同様だと思います。

さて悪玉コレステロールは薬を内服してまで下げる必要が本当にあるのでしょうか。
私の答えはYesでもありNoでもあります。

Yesというのは薬を内服してでも積極的に悪玉コレステロールを下げなければならない患者さんが少なからずいらっしゃるということです。すなわち患者さんを診て、高血圧や糖尿病など動脈硬化につながる疾患がある場合や心筋梗塞などの既往やその家族歴、あるいは喫煙歴や肥満があるかどうかなど総合的に判断して、将来的に動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞)に罹患する可能性が高いと判断される場合は積極的に治療すべきだと思います。
Noというのは単に悪玉コレステロールが高いというだけでは高齢であっても治療の必要がないのではないかということです。人間は皆ひとりひとり違います。
私はこういった指針でひとくくりにすることに少々問題があるように思います。

最後にコレステロールが元々低いということは薬で強制的に下げた場合と違って、栄養障害がある可能性がありますので、そのことは免疫力の低下につながり、がんや肺炎が増えるのは当然と言えるかもしれません。
しっかり食べてよく動くことが健康にとっては大切なのでしょうね。
いきいき生活通信 2010年 12月号

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胃癌検診のすすめ
日本では現在、高齢化に伴い、男性の2人に1人、女性の3人に1人が癌に罹患し、3人に1人が癌で亡くなる時代です。そして癌の中で最も発生しやすい癌が胃癌であり、またその死亡者数は早期発見および治療の進歩などにより著しく改善しているものの、癌の中では依然として高く、男性は肺がんについで2位、女性も大腸がんについで2位となっています。ですから、皆さん胃癌には十分に注意する必要があります。

日本人で胃癌の発生が多い理由は遺伝的な素因や日本人独特の食生活(高塩食)などの関与もありますが、皆さんがよくご存知のピロリ菌の感染が密接に関連していると考えられています。
一方、胃癌は進行の速さによっておおまかに二つのタイプに分けられます。すなわち、進行の早いタイプと遅いタイプです。胃癌のほとんどは進行の遅いタイプです。そしてピロリ菌が関連して起こる胃癌もこの進行の遅いタイプなのです。

ピロリ菌とこの進行の遅い胃癌との関連については、次のように考えられています。
ピロリ菌感染→胃で炎症が起こる(表層性胃炎)→胃の粘膜が萎縮する(萎縮性胃炎)→更に萎縮が進行する(腸上皮化生)→胃癌の発生。もちろん萎縮性胃炎の原因が全てピロリ菌の感染によるものではありませんし、萎縮性胃炎から胃癌が発生するのもごく一部なのですが、進行の遅い胃癌はほとんどがこの萎縮性胃炎を経て発生しているのです。ですから、胃癌を発見するには、その原因となる萎縮性胃炎やピロリ菌の感染を調べることも重要なのです。

最近の胃癌検診ではこの萎縮性胃炎やピロリ菌感染を調べるために、ペプシノゲン検査(胃の萎縮を調べる検査)やピロリ菌に対する抗体検査などが組み込まれています。ただし、これらの検査は100%の信頼度があるわけではなく、これらの検査で異常がなくとも胃癌である可能性はあるのですが、血液検査で行えるため、胃癌検診の受診率の向上が期待できます。皆さんが毎年胃癌検診を受けることで、早期に発見できる胃癌は確実に増えるでしょう。早期に発見できれば当然ながら治癒する確率も高くなります。胃癌による死亡率はこれからもますます改善していくことが期待されているのですが、そのためには皆さんが胃癌に対する意識を持ち、定期的に胃癌検診を受けることが重要です。
いきいき生活通信 2010年 11月号

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2010~2011年度インフルエンザワクチンについて
皆さんは昨年の今頃(10月)のことを覚えていますか。
ちょうど新型インフルエンザの流行が本格化してきた時期でした。そしてその新型インフルエンザワクチンの供給が急がれていて、国や自治体そして医療機関も少なからず混乱していたのですが、さらに同じ頃に季節性インフルエンザワクチンが開始され、非常にあわただしい日々を過ごしたことを思い出します。
この秋は今のところ、昨年流行した新型インフルエンザと季節性インフルエンザ(A香港型)が散発的にみられるものの、流行レベルよりはかなり低い水準であり、平穏?な日々を過ごしております。

さて今冬のインフルエンザですが、例年どおり(年末~2月)の流行が予想されています。
ワクチンは一般的に接種2週間後から効果がみられ、3~6ヶ月程度持続しますので、接種時期は11~12月が適当ではないでしょうか。昨年は新型と季節性の2種類のワクチンを接種した方も多かったと思いますが、今年は1種類だけです。
これまでの季節性インフルエンザワクチンにはAソ連型、A香港型そしてB型の三つの型の抗原が含まれていましたが、今年流行すると予測されているのは新型とA香港型とB型であるため、今年のワクチンにはこれまでのAソ連型は含まれておらず、その代わりに昨年流行した新型が加えられています。ですから今年のワクチンは1種類だけなのです。
昨年流行した新型インフルエンザは、今年もある程度流行すると予測されています。症状はこれまでの季節性インフルエンザと類似しているのですが、感染力がやや強く、基礎疾患を有する患者さんで重症化しやすい傾向にありますので、基礎疾患を有する患者さんや高齢者の方は積極的にワクチンを接種して下さい。

明石市では10月よりワクチン接種が可能であり、またワクチンの接種費用はどの医療機関も同じで、65歳未満の方は初回接種時が3,600円で、2回目が,2550円(1回目と同一医療機関)です。65歳以上の方と60歳以上65歳未満の方で心臓や腎臓などに障害をお持ちの方(身体障害者1級相当)は公費の助成が受けられます。また13歳未満の方は2回接種となります。
尚、ワクチンは国内産で、今年は不足することもなさそうですので、皆さん慌てずに体調の良い時に接種して下さい。
いきいき生活通信 2010年 10月号

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脳死移植について
この夏、医療分野では脳死移植が話題になりました。今回はこの脳死移植についてお話してみます。
日本では平成9年7月に"臓器の移植に関する法律"が制定され、脳死状態と判定された人から臓器を摘出して他の人にその臓器を移植することが可能となりました(脳死移植)。しかし、脳死移植を行うためには、脳死状態の者が生存中に書面で脳死下での臓器提供を意思表示していなければなりませんでした。
そうしたこともあり、日本での脳死移植は少なく、これまでの十数年間で行われた脳死移植は80件程度です。米国では年間数千件の脳死移植が行われていることを考えると極めて少ないと言えるでしょう。

このような背景のもとで臓器移植に関する法律が一部改定され、今年の7月17日より本人の臓器提供の意思が不明な場合でも家族の承諾があれば臓器提供が可能となりました。そして改定後2ヶ月足らずで既に7件の脳死移植が行われました。おそらく今後ますます脳死移植は増えていくでしょう。
私はこれまでに骨髄移植や腎臓移植あるいは肝臓移植や心臓移植を受けた患者さんと接してきた経験がありますが、元気になられた患者さんをみていると、移植医療のすばらしさを痛感します。

本来、他人の臓器が移植されると、その臓器は異物(自分の臓器ではない)と判断され、自分の体から排除しようするのですが、この反応(拒絶反応)を抑える薬(免疫抑制剤)がいくつも開発され、そしてそれに伴い移植の成績も格段に向上しています。
脳死移植では心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸の六つの臓器を移植することができます。消え行くひとつの命が何人もの患者さんの命を救うことができるわけです。実に美しい話ですね。

しかしいくつかの問題があるのも事実です。
脳死移植は脳死が人の死であるという考えに基づいて行われているわけですが、本当に消え行く命なのかどうか。脳死と判定された方はそのほとんどが数日あるいは数週間以内に、これまで人の死であった心停止を来たしますが、稀に長期生存例の報告もあります。そして脳死が人の死であるとしても、心臓が鼓動している状態を人の死として受け入れることができるかどうか。
皆さんは脳死移植についてどう思いますか。
いきいき生活通信 2010年 9月号

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百日咳について
皆さんもご存知かもしれませんが、5月末頃から新聞やテレビなどで大人の百日咳が増えているという報道がありました。当院でも6月頃から「咳が止まらない」という訴えの患者さんがよくみられるようになりましたので、症状の強い患者さんに血液検査で百日咳の抗体価を調べてみたところ、抗体価が非常に高く、百日咳感染が疑われる例がいくつもみられました。

そもそも百日咳は乳幼児にみられる感染症であり、けいれん性の咳発作が特徴的で、乳幼児が感染すると命に関わることもある疾患なのです。ですから生後3ヶ月を過ぎると3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)を接種して、百日咳に対する免疫を早めにつけるようになっています。
しかし、このワクチンの効果(百日咳に対する免疫)は一生続くものではありません。個人差がありますが、10年もすればワクチンの効果はなくなってくると考えられています。
ですから米国では11歳以降にも3種混合ワクチン(思春期・大人用)を追加接種しているのですが、日本ではこのワクチンが認可されておらず、百日咳を除いた2種混合ワクチンを11歳以降に追加接種しています。米国では追加接種をするようになってから百日咳感染が減少しています。日本でもこのまま百日咳感染が増えていけば、何らかの対策が必要になるでしょう。
なぜなら大人は百日咳に感染しても命に関わることはほとんどなく、3週間ほどの咳発作に耐えれば治癒するのですが、重要なことは感染した大人がワクチン未接種の乳幼児に対する感染源になりうることです。
百日咳は比較的感染しやすく、咳が続いている間(約3週間)は感染する可能性があります。
ワクチン未接種の乳児は特に危険で、生後2ヶ月未満で百日咳に感染すると致死率1.8%という報告もあります。

現状で私たちができることは、百日咳は風邪に似た症状で始まり、次第に咳がひどくなりますので、その時は医療機関を早めに受診すること、百日咳に効果のある抗生剤がありますので、百日咳感染の疑いがある場合にはこの抗生剤を内服して、できるだけ早く治癒するように努めること、そしてワクチン未接種の乳幼児が感染しないようにすることです。

百日咳は春から夏および秋にかけての発生が多いと言われています。皆さん、暑い日には無理をせずしっかりと体調を管理して下さい。そして百日咳にはくれぐれも注意しましょう。
いきいき生活通信 2010年 8月号

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尿蛋白について
皆さん、「今日の尿はよく泡立っているな」と感じたりすることはありませんか。
時々患者さんからも相談されることがあります。尿が泡立つ場合は尿蛋白が疑われるのですが、健康な方でも時には尿が泡立ったりします。問題はこのような尿の異常が持続してみられるかどうかです。

ちなみに健常人でも少量の尿蛋白は尿中に排泄されますが、尿蛋白の量が多くなると尿が泡立ったり、尿試験紙による検査で尿蛋白が陽性となるわけです。
健康診断などではこの尿試験紙による検査が行われます。これまでに尿蛋白を指摘されたことがある方もおられると思いますが、やはりこの場合も早朝尿などで再検査をして同じような異常がみられるかどうかが重要です。再検査で尿蛋白が陰性であれば生理的蛋白尿と考えられます。生理的蛋白尿とは病的な蛋白尿ではなく、生理的な変化のため一過性に基準値以上の尿蛋白がみられることで、起立時や運動後、発熱時などにみられるもので特に心配はありません。

さて、再検査でも尿蛋白が陽性となる場合ですが、尿の更に詳しい性状や尿蛋白の量、そして血液検査で腎臓の機能などを調べることになります。そして尿蛋白の原因が腎臓の機能障害によるものかどうかを判断します。腎臓の機能障害がみられない場合は泌尿器科疾患(結石、腫瘍、感染症など)が疑われるのですが、ほとんどの場合尿潜血も伴い、腫瘍以外は症状などから診断は比較的容易です。

一方、尿蛋白の原因が腎臓の機能障害によるものと判断されれば、腎機能障害を引き起こす疾患(糖尿病、高血圧、膠原病など)の有無を調べます。明らかに糖尿病や高血圧などによる腎機能障害であれば(最近は糖尿病や高血圧のため透析が必要となる方が増えています!)、これらの原疾患の治療が重要になります。これらの原疾患がみられなければ、腎炎などの腎臓そのものの病気が考えられますので、この場合は専門的に診ていただく必要があります。

いずれの場合も将来透析療法が必要になることがありますので、尿蛋白が持続的にみられる場合は要注意です。
皆さん、尿蛋白がみられた場合はまず、再検査をして下さい。
いきいき生活通信 2010年 7月号

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くも膜下出血について
私が医者になって3年目のある日、救急外来に30歳前後の女性が来られました。
彼女は歩いて来院され、「急に頭痛がして気分が悪いので薬が欲しい」と言われました。その頃の私は今よりはるかに未熟者だったこともあり、そのまま薬を処方して帰って頂こうと思ったのですが、彼女が最後に言った一言が私にある病気を気付かせてくれました。
彼女は「血管が切れるような音がした。」と言ったのです。もしかするとくも膜下出血かもしれないと思いCTを撮影してみると、そのもしかだったのです。

くも膜下出血は外傷を除くとそのほとんどが脳動脈瘤の破裂によるもので、致死率も高く(約50%)、救命できても麻痺などの後遺症が残る例が多くみられます。
特徴的な症状は"突然の""これまでに経験のない激しい頭痛"です。激しい頭痛は時に"ハンマーで殴られたような"と表現されるほど強烈です。ただ典型的な症状が乏しかったり、CTを撮影しても診断できないこともありますので、初めて経験する頭痛には注意が必要です。

さて、くも膜下出血は発症後の治療も重要なのですが、致死率が高いため発症を予防することが肝心です。くも膜下出血の原因はそのほとんどが脳動脈瘤の破裂によるものですので、予防は未破裂の脳動脈瘤を治療することです。
ではこの脳動脈瘤についてですが、先天的に脳動脈に弱いところがあり、その部分に血圧などの負荷が加わることで、その弱い部分が嚢状に膨らんで形成されると考えられています。そして脳動脈瘤は時に周囲の神経を圧迫して動眼神経麻痺(瞼が下垂したり、物が二重に見えたりする)を来たすことはありますが、ほとんどの場合無症状なのです。
ですから脳動脈瘤があるのかどうか調べるためには、脳ドックなどでMRA(MRI装置を使った血管撮影法)検査を受けるなどする必要があります。

もし脳動脈瘤がみつかった場合ですが、破裂する確率は年間1%と低く、脳動脈瘤があるだけでは治療の適応とはなりません。経験的に破裂しやすい脳動脈瘤というのがわかっており、大きさ、部位、そして形が重要とされています。それに加えて、症状がある場合や家族歴がある場合、そしてくも膜下出血を発症した後に別の脳動脈瘤がみつかった場合は破裂する危険性が高いことがわかっています。これらの場合は治療の適応となります。
最後にくも膜下出血は高齢者よりも働き盛りの壮年者に多く、高血圧や喫煙、アルコールの多飲はくも膜下出血の危険因子ですので心配な方は検査を受けて下さい。そして、初めて経験する頭痛にはくれぐれも用心して下さい。
いきいき生活通信 2010年 6月号

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魔女の一撃
私先日、魔女の一撃を喰らってしまいました。
何のことかと言いますと、その日もいつものように午後から透析患者さんを診察していたのですが、最後の患者さんを聴診しようと腰をかがめた次の瞬間、腰のあたりでギクギクという音がして、膝から崩れ落ちてしまいました。
いわゆるぎっくり腰です。
なんとか立ち上がり、スタッフに助けてもらってベットに横になりましたが、2時間ほどはほとんど動けない状態でした。その後は少しずつ回復したのですが、本当に辛かったです。

欧米ではこのぎっくり腰のことを魔女の一撃と言うそうです。
私は魔女に対してあまり怖いイメージがないので(テレビや映画などの影響でしょうか)、この言葉に違和感があったのですが、欧米では魔女は悪魔と契約を結ぶことで特殊な力を得て、その力で人々に災いをなす存在と考えられており、実際に15~18世紀頃のヨーロッパでは多くの人々が魔女の疑いをかけられ、魔女裁判で処罰(魔女狩り)されたという苦い歴史があります。
なるほど魔女が非常に恐れられていた存在であれば、この言葉はピッタリかもしれません。まさにすさまじい一撃でした。どんなに強靭な人でもこの一撃を食らうと動けなくなるでしょう。

さて、このぎっくり腰ですが、正式な病名は急性腰痛症と言いまして、ちょっとしたことがきっかけで起こる様々な腰痛を含んでいます。ですから原因や痛みの程度も様々で、運動不足が原因になることもあれば、無理な運動が原因になることもあります。ただ私の場合は明らかに運動不足が原因で、腰から背中にかけての筋肉が弱っているのだと思います。その状態で少し無理な姿勢をとったことで関節(仙腸関節)がずれて周囲の筋肉が硬直(痙攣)したのだと自己判断しています。デスクワークなどが中心で普段からあまり腰を使っていない場合はこのタイプが多いようです。

一撃を喰らった場合はとにかく楽な姿勢で横になることです。そして患部を冷やして下さい。動けるようになればコルセットも有効です。そして繰り返さないためにはストレッチとウォーキングが良いようです。
一方、普段から腰をよく使っている場合は筋肉の疲労があり、無理な動きがきっかけで腰椎自体を痛めてしまうことがあります。臀部や下肢にしびれがみられるとヘルニアの可能性もありますので、この場合は病院で治療を受けましょう。

くしゃみでも魔女の機嫌を損ねることがありますので、皆さん注意して下さい。
いきいき生活通信 2010年 5月号

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バセドウ病について
今回は病名が印象的なバセドウ病についてお話してみます。
バセドウ病というのは甲状腺機能が亢進する病気で、今から170年程前にドイツ人医師であるバセドウさんが発見した病気です。最近では歌手の絢香さんがバセドウ病の治療中であることを公表していますね。私も普段の診療で時々診る機会がありますし、決して稀な病気ではありません。

そもそも甲状腺はどのような働きをしているのかと言いますと、甲状腺は私たちのノドの前に蝶が翅(はね)を広げたような形で存在していて、甲状腺ホルモンを分泌しています。分泌された甲状腺ホルモンは全身の細胞に作用し、エネルギーの産生を促したり、新陳代謝を活発にしたりして細胞を元気にします。
もし甲状腺ホルモンがたくさん分泌されると、全身の細胞は必要以上に元気になってしまい、安静にしていても常に運動しているような状態になります。したがって頻脈や体重減少、発汗過多といった症状がみられ、精神的にはイライラしたりします。また甲状腺自体が腫れたり、眼球が突出する症状がみられることもあります。
このように甲状腺ホルモンがたくさん分泌される疾患(甲状腺機能亢進症)の代表的な病気がバセドウ病なのです。

なぜ甲状腺ホルモンがたくさん分泌されるかと言いますと、自己に反応する抗体が産生されるためです。本来、抗体は細菌やウイルスのような自己とは異なる異物に対して産生されるのですが、バセドウ病では自身の甲状腺に反応する抗体(自己抗体)が産生されます。そしてこの抗体が甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を促してしまうのです。
診断は先に述べた症状から甲状腺の病気を疑い、血液検査にて甲状腺ホルモンの異常とこの自己に反応する抗体を認めれば診断されます。治療は主に
  • 薬物療法(甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を服用する)
  • 手術療法(甲状腺の大部分を切除します)
  • アイソトープ療法(放射性同位元素を服用し甲状腺の細胞を減らす)
があります。
これらの治療は効果が十分期待できますので、バセドウ病は予後良好な病気なのですが、治療を怠ると命に関わることもありますので、疑わしい症状がある場合は早めに検査を受けて下さい。
また治療中の方はしっかりと治療を続けて下さい。
いきいき生活通信 2010年 4月号

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スギ花粉症について
皆さんは枯草熱(こそうねつ)という病名を聞いてどんな病気を想像しますか。私が医学生の頃に何度か目にしたこの印象深い病名は、現在は花粉症と呼ばれています。
今から約200年程前、イギリスで牧草の干草に接触した人に鼻水や流涙などの症状がみられることが報告され、これらの症状を引き起こす病気として当時枯草熱と呼ばれていました。その後この原因が干草(イネ科の植物)の花粉によることが実証され、枯草熱は花粉症と呼ばれるようになったのです。イギリスでは今も花粉症と言えば牧草の花粉によるものがほとんどです。さて、日本ではどうでしょうか。

花粉症といえば皆さんご存知の通りスギ花粉症が有名ですが、実はスギ花粉症は日本特有のものなのです。戦後、焼け落ちた山々に大量の杉が植えられ、数十年の時を経て大量の花粉を飛散するようになったのです。日本ではスギにアレルギーのある方が大勢おられ、スギ花粉症の患者さん(患者数は1500万人以上)は増加の一途をたどっています。
今や日本の国民病と言われており、私も例に漏れず、スギ花粉症です。毎年この時期にはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、流涙、眼のかゆみに悩まされ、鼻閉のためか朝起きても体はだるく、昼間は眠たく、全く困ったものです。では、対策はどうすれば良いのでしょうか。

日常生活において最も重要なことは、スギ花粉と接触しないことです。症状の強い方は、外出時にはマスクや眼鏡カバー、ゴーグル、帽子などを着用し、帰宅時には衣服についた花粉を払って、できるだけ家の中に持ち込まないようにしましょう。そして帰宅後は顔を洗ったり、シャワーを浴びたりして、すぐに衣服を着替えて下さい。それでも花粉の進入を完全に防ぐことはできません。こまめに掃除をしたり、空気清浄機を使用したりするのも有効だと思います。

次に治療ですが、症状の軽い時期あるいは花粉の飛散する半月ほど前から開始することが大切です。症状が進んでからでは、薬も効きにくく、重症化するおそれがありますので、早めの治療を心がけましょう。治療の基本は抗ヒスタミン薬あるいは抗アレルギー薬の内服で、症状に応じて点鼻、点眼液が併用されます。これらの治療に効果がない場合はステロイドの内服が行われることもあります。
皆さん、花粉情報に注意してできるだけ快適に春を楽しみましょう。
いきいき生活通信 2010年 3月号

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口臭について
皆さんはこれまでに口臭を自覚したり、あるいは他人の口臭が気になったことがありませんか。外来にも「口臭がするので胃が悪いのではないか」と心配になって受診される方が時々おられます。しかし実際は胃が悪くて口臭がすることは少なく、口の中に問題があることが多いのです。

口の中には何百種類もの細菌が何千億も存在しています。これらの細菌が口の中の食べかすや古くなった粘膜組織(たんぱく質)を分解することにより口臭が発生します。したがって口臭を抑えるためにはこの細菌の活動をある程度抑える必要があります。
この役割を果たしているのが唾液です。私たちは唾液を分泌することによって口の中の細菌の活動を抑え、口の中を清潔に保っているのです。

最近は唾液の分泌が低下し口の中が乾燥(ドライマウス)している方が増えています。
ドライマウスはいろいろな原因で起こります。具体的には加齢や喫煙、ストレス・睡眠不足などによる自律神経異常、薬(降圧薬や抗ヒスタミン薬)、口呼吸(蓄膿症やアデノイドなど)、あるいはシェーグレン症候群(免疫異常により唾液腺に炎症が起こり唾液の分泌が低下する病気)や甲状腺機能亢進症などです。
また起床時や空腹時も唾液の分泌が低下していますので口臭がすることがあります。これらは原疾患の治療や規則正しい生活、食事の摂取やガムを噛んだりすることである程度は改善できます。

ドライマウス以外で口臭がする場合はほとんどが虫歯や歯周病、入れ歯などの歯の問題であったり、体調が悪い時にできやすい口内炎や舌苔などが原因です。いずれも細菌が増殖していることがあり(プラークや歯石など)、この場合は適切な歯磨きや歯科治療、あるいは抗生剤の内服が必要となります。
特に歯の痛みは早めに治療したほうが良いでしょう。私は以前、三日三晩この世の痛みとは思えないほどの歯の痛みに襲われたことがありますが、もう懲り懲りです。それ以来、歯磨きは入念にするようにしています。

その他の口臭の原因としては便秘(臭いオナラがでるように口からの息も臭くなることがあります)や食べ物(アルコール、にんにく、ねぎ、肉など)、そして腎不全や肝不全などの代謝異常でも口臭がすることがあります。

最後に胃が悪い場合ですが、私には経験がありませんが、まれに胃がんや食道がんでも口臭がすることがあるようです。
以上、口臭の話でした。参考にして下さい。
いきいき生活通信 2010年 2月号

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明石市がん検診のすすめ
皆さん、明けましておめでとうございます。新たな一年を迎えましたが、皆さんはどのような一年を望んでいますか。私は世の中が少しでも安定することを願っています。
さて今回は明石市のがん検診についてお話してみます。明石市では毎年40歳以上の全市民に対して胃がん、肺がん、大腸がんの検診を行っていますが、実際にこの検診を利用されている方は少なく、もっと皆さんに積極的にこのがん検診を受けていただきたいと思っています。

がん検診の最大の目的はがんによる死亡率の減少ですが、胃がん検診(胃X線検査)、肺がん検診(胸部X線検査と喀痰細胞診検査)、大腸がん検診(便潜血検査)はいずれも死亡率減少効果を示す相応な証拠があることがわかっています。
実際にこれらの検診で早期にがんを発見でき、治療により元気に生活されている方を診ていると、検診の是非を問う声も一部にはありますが、私自身は非常に良い制度だと感じています。また胃がん、肺がん、大腸がんは非常に発生率の高いがんで、これらに乳がん、子宮がんを加えると、全てのがんの発生数の約50%に達します。

一方、これらのがんは検診の普及およびめざましい医療の進歩などにより生存率が非常に上がっています。特に胃がんはたとえ進行がんであっても手術可能であれば5年以上生存できる確率は60%以上にも達しています。更に、症状がない時期にこれらの検診を受けることで、がんの早期発見につながり、いずれのがんも早期がんであれば治る確率は非常に高くなります。

明石市では40歳の方と65歳以上の方には毎年受診券を送付しています。また41~64歳の国民健康保険に加入されている方と前年にこれらの検診を受けられた方にも受診券を送付しています。それ以外の方は市の健康推進課に請求すれば受診券を送付してもらえます。また女性の場合はこれらに加えて、20歳より子宮がん検診を、40歳から乳がん検診を2年に一度受けることができます。
受診券は20歳から60歳まで5年ごとに送付されます。受診券が送付されない年も受診はできますので、皆さん是非、市のがん検診を利用して下さい。
いきいき生活通信 2010年 1月号

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